AI画像認識が切り拓く店舗DX

駐車場データ分析が実現する次世代型店舗運営(PoC事例)

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プロジェクト概要

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カメラが車両情報を検知・記録

カメラが車両情報(車両タイプ・色・ナンバー・進行方向)を自動検知・記録(精度99%)

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顧客データと即時連携

駐車場への車両入庫時、検知したナンバーを利用して顧客データと即時連携。

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店舗滞在時間を自動算出・記録

車両の出入り時刻から、各顧客の店舗滞在時間を自動算出・記録。

要約

クライアントは、九州地方を中心に数多くの店舗を展開されるタイヤ販売企業「株式会社ビーライン様」。
店舗運営効率化を目指し、全3フェーズで構成されるプロジェクトの第一段階(フェーズ1)として、AIカメラ(Verkada)と、ナンバープレートOCRおよび独自プログラムを組み合わせた駐車場データ分析のPoC(概念実証)を対象3店舗で実施。
車両情報の収集・分析(ナンバープレートOCR、車両属性等のデータをデータベースに保存)の実現可能性を検証し、クライアントより高い評価を獲得。将来的にはフェーズ2(対象店舗を直営店30店舗に拡大したデータ取得)、フェーズ3(管理画面導入)も計画されており、現在フェーズ2への移行検討が進んでいます。

相談からPoC完了までの期間

約3ヶ月
(フェーズ1期間)

プロジェクト体制

4名(プロジェクトマネージャー 1名、エンジニア 2名
データアナリスト 1名)

クライアントについて

オートバックスグループの一員で、九州地方を中心に約80の店舗(2025年4月時点)を展開される株式会社ビーライン様(https://beeline-tire.co.jp/)。地域顧客へのサービス向上と店舗運営の効率化を追求されており、その一環としてデータ活用の可能性を模索されていました。

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ジーライブを選ばれた理由

店舗運営の効率化を目指し、AIカメラ(Verkada)の導入を検討されていましたが、その機能だけでは、ビーライン様が求めているレベルでのデータ分析および活用が難しい、という点が課題となっていました。 そこで、弊社のAI活用に関する知見、特に画像認識技術の応用力と、それを活用したカスタム開発の実績を評価され、Verkadaビーライン様の営業担当者様を通じてご紹介いただき、ご相談に至りました。

ジーライブを選ばれた理由

クライアントが抱えていた課題

ビーライン様は、データ活用によって店舗運営をさらに高度化したいとお考えでしたが、その実現に向けて以下のような点が課題となっていました。

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クライアント画像

駐車場利用状況の把握と活用が不十分

現状では、各店舗の駐車場における正確な車両の入退店時刻や滞在時間の把握ができておらず、店舗間の比較分析や、それに基づいた運営改善・効率化施策の検討が困難な状況でした。

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データに基づく在庫管理の最適化

来店する車両のタイプ(大きさ、形状など)のデータを分析し、精度の高い需要予測に基づいて在庫を最適化したいというニーズがありましたが、カメラ映像からこれらの車両タイプデータを自動で検知・収集し、継続的に蓄積していくことが技術的に可能なのか、その実現性が見通せないことが課題でした。

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システム連携による顧客体験と業務効率の向上

高精度なナンバープレートOCRと基幹システムを連携させ、顧客情報に基づいたスムーズな接客を実現することで、顧客満足度と業務効率を両立させたいと考えていましたが、そのための技術的なハードル(高精度なOCRとリアルタイム連携、読み取った情報の記録・保存方法)がありました。

ジーライブのアプローチ(フェーズ1)

これらの課題に対し、弊社はプロジェクトを3つのフェーズに分け、まずはフェーズ1としてPoC(概念実証)を実施しました。そのアプローチのポイントは以下の通りです。

課題解決への取り組み

まず、クライアントが「最終的に何を実現したいのか」(フェーズ3の管理画面導入を含む全体像)を深くヒアリングし、「どうすればクライアントのビジネスがより成長するか」という視点で課題の本質を探ることから始めました。
その上で、AI技術、特に画像認識における環境要因等のリスクを考慮し、本格導入前に「技術的な実現可能性」と「期待される効果」を低リスクで検証するPoCによる段階的検証を提案。技術構成としては、Verkadaカメラの標準機能(車両検知等)と、弊社がAI知見を活用して実現する高精度な日本語ナンバープレートOCR、さらに複数データを連携・分析・判定するための独自プログラムを組み合わせるハイブリッド構成を採りました。
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実際のプロジェクト推進においては、オンラインでの密な連携に加え、プロジェクト初期段階からの現場訪問によるオペレーション・環境理解を重視。これらのインプットに基づき、対象3店舗で『PoC計画策定 → テスト実装 → データ収集・分析(ナンバープレートOCR結果、車両の大きさ・色・進行方向等の情報をデータベースに保存)→ 報告・フィードバック → 改良版実装・分析』という検証サイクルを約3ヶ月間で実施しました。

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プロジェクトにおけるこだわり

今回のPoCでは、特に以下の点にこだわりました。
使えるデータの提供
クライアントの最終目標達成に本質的に貢献できる「使えるデータ」を提供することを目指しました。これにより、PoC終了後、クライアントが迅速に次の意思決定や具体的な施策検討へ移行できるような、実用性の高い成果を提供することに注力しました。
信頼関係の構築
技術的な側面だけでなく、「なぜこの検証が必要か」「この結果から何が言えるか」といった背景や意図を丁寧に説明し、クライアントとの認識齟齬がないよう密なコミュニケーションを心がけ、信頼関係を築くことを重視しました。

予期せぬ課題と解決策

プロジェクトを進める中で、予期せぬ課題にも直面しました。その一つが、検証対象店舗の一部が他の商業施設と駐車場を共有していたことです。これにより、店舗利用者以外の車両データも混在し、純粋な滞在時間等の把握が技術的に困難となりました。弊社では、技術的な回避策を模索すると同時に、この状況をクライアントへ報告しました。そして、「共有駐車場という環境下ではデータ精度に限界がある」という事実そのものをPoCの重要な知見・成果と捉え、クライアントと認識を共有することで、プロジェクトの現実的なゴールについて共通認識を持つことができました。この結果、実際の制約を踏まえた上で次のステップを検討するための、貴重な判断材料を得ることができました。
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お客様の反応と今後の展開

PoC(フェーズ1)の結果、提案したハイブリッドな手法によって、課題としていた車両情報の収集・分析(AIを活用した日本語ナンバープレートOCR、大きさ・色・進行方向のデータ取得含む)がある程度の精度で実現可能であることが実証されました。特に、AIを活用したナンバープレートOCRの精度や、将来的な入退店管理システム(フェーズ3)への拡張については、具体的な効果をイメージしていただけました。

共有駐車場での課題といった現実的な制約も含めて、透明性の高い報告を行ったことに対してもご理解をいただき、PoC(フェーズ1)全体として非常に高い評価をいただくことができました。

現在、この結果を踏まえ、本格開発となるフェーズ2(対象店舗を直営店30店舗に拡大したデータ取得)への移行に向けて、A社様の社内で稟議が進められています。フェーズ2で収集される大規模なデータは、フェーズ3の管理画面開発における重要な基盤となる予定です。

同じような悩み・課題を抱える企業さまへ

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AIや画像認識技術を活用して、店舗運営の効率化やデータに基づいた意思決定を実現したい。

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既存のシステムやツール(AIカメラ等)の機能だけでは、自社のニーズに合ったデータ収集・分析・活用が難しい。

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段階的にシステム導入を進めたいが、PoCから本格展開までの進め方がわからない。

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顧客データと連携した新しいサービスや業務改善のアイデアはあるが、実現方法がわからない。

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AI導入に関心はあるが、費用対効果や実現可能性に不安があり、最初の一歩を踏み出せない。

このようなお悩みをお持ちの企業様は、ぜひ一度ジーライブにご相談ください。

弊社は、お客様のビジネス課題を深く理解することから始め、AIをはじめとする最新技術の知見と豊富な開発経験に基づき、最適な解決策をご提案します。既存の技術やサービスと、弊社が持つAI技術の活用ノウハウや独自の開発力を組み合わせることで、お客様固有の課題に対応することが可能です。今回の事例のように、PoC(概念実証)を通じてリスクを最小限に抑えながら、段階的にプロジェクトを推進することも得意としています。

まずはお客様の「やりたいこと」をお聞かせください。
最適な進め方を一緒に検討させていただきます。

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